━防止・対応策 (ギャンブル依存症)━ まず、アメリカではギャンブル依存症を比較的程度の軽い脅迫的(Compulsivel)ギャンブラー、もしくは最も深刻な状態である病理的(Pathological)ギャンブラーに大別するのが通常です。そのどちらかに分けられたギャンブル依存症は、それぞれに適した治療法を行い、社会復帰の道を探るのです。 しかし今回は、どのようなプレーヤーがどの症状のギャンブル依存症に当てはまるかという議論には重点を置きません。それよりも、話を単純にする為にギャンブル問題を抱える全ての人々を「ギャンブル依存症」という1つのグループとして、その対応策を考えていきます。
ネバダ州ゲーミングコミッションの規制により、州内の全てのカジノはギャンブル依存症対策として、以下の条件を満たす必要があります。(NCG
Regulation 5.170) ・トールフリーナンバーの設置 また、ギャンブル依存症患者にとって必要な情報が掲載されたパンフレットを置く事も有効な手段です。さらに、カジノは従業員出入り口や更衣室などにもギャンブル問題に関わるポスターを張り、従業員へのギャンブル依存症に対する問題意識を常に促します。 ギャンブル依存症対策では比較的新しい試みである「Self-Exclusino」と呼ばれるプログラムも存在します。これは、カジノがギャンブル依存症対策において、最も強制力を発揮するプログラムであり、現在ネバダ州を始め、ニュージャージー、イリノイ、ミズリー、ミシガン等の各州でも実施されています。各州間で、内容に多少の違いがみられますが、基本概念は「ギャンブル依存症のカジノからの締め出し」です。 さて、ここではニュージャージー州を例にみてましょう。 2001年3月、当時のニュージャージー州の知事は、「各自の名前を『リスト』に載せる事で、自らをカジノから締め出す事が出来る」という規制にサイン。つまり、ニュージャージー州での「Self-Exclusino」プログラムのスタートです。 まず、このプログラムに参加すると、カジノから送られる宣伝、プロモーションメールのリストから直ちに外される事になります。更に「リスト」登録後は、カジノでのプレー拒否は勿論、カジノ内からの退去を要求されます。参加者が仮にカジノで勝っても、勝ち分を主張する事が出来ず、その勝ち分は州とカジノへと没収され、ギャンブル依存症対策などに助成されるのです。 プログラムが持つ強い強制力から、カジノ、政府、ギャンブル依存症援助団体など、各方面からギャンブル依存症対策に大きな期待がよせられています。 カジノ企業側は「Nevada Council on Problem Gambling」 や「Problem Gambling Center」など、ギャンブル依存症の救済を目的とした各種団体への設立、運営資金の援助を行い、かれらの社会復帰のバックアップに務めています。 この様に、アメリカでは政府、企業が協力し合い、ギャンブル依存症対策に日々真剣に取り組んでいる事が覗えると思います。
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