━カジノプレーヤーの特徴━

 「カジノプレーヤーの多くは、高学歴、高所得者であり、カジノをエンターテイメントとして位置付けている」

 カジノ経営者が抱くカジノプレーヤーのそんな特徴を裏付ける調査結果が、業界内で顧客管理・分析に定評のあるハラースエンターテイメントより発表されています。

 以下はカジノプレイヤーと一般米国人の学歴・所得・職種による比較です。

  カジノプレイヤー 米国人平均
平均所得:
$41,000
$30,000
学歴:
高卒
48%
51%
短大卒
24%
22%
大卒
18%
17%
大学院卒
10%
10%
職種:
ホワイトカラー
44%
40%
ブルーカラー
32%
35%
中央年齢値:
47
46

                           Harrah's Casinos 1995

 なるほど、この調査結果を見る限りでは、確かにカジノプライヤーの方が米国人平均に比べ、高所得、高学歴でありるのが分かります。やはり、カジノは、高学歴・高収入者にとってエンターテイメントの一環として楽しまれている・・・。

 しかし、ここで、実際に紹介したいのは、この調査結果とは全く違った見解を示すカジノ反対派の意見。彼らの調査結果からはハラースとは全く違った数字を目にする事ができます。

 以下のレポートは、北フロリダ大学、経済学部の3人の教授によって作成され、約1000人のカジノプレーヤーとラスベガス及び、アトランティックシティー近郊に住むギャンブラーを対象としています。

 彼らの報告書によると

・白人は有色人種に比べギャンブルをしない。
・ホワイトカラーワーカーはブルーカラーワーカーに比べたったの1.2倍しかギャンブルをしない。
・失業者、退職者はギャンブルを好む傾向がある。

 彼らは、ギャンブラーの特徴の他に、「所得の何%をギャンブルに費やのすか?」といった調査も行っています。

 それによると、

 所得が$10,000以下の人々は所得が $30-40,000の人々に比べ2倍(所得の割合に対し)の金額をギャンブルに費やし、所得が$80,000を越える人々と比較した場合では実に、4倍になるといいます。


 「『カジノプレーヤーはアメリカ人の平均と比べ、学歴があり、裕福である』とするカジノ側の言い分は誤解を招きやすい。」と述べるのは今回の調査を行ったBorg教授。

 Borg教授は「カジノプレーヤーとアメリカ人とを比べても意味が無い」と述べ、さらにBorg教授は「それよりも、カジノプレーヤーと実際にカジノにアクセス出来る地域に住む人々とを比べるべきである。」と主張しています。

 個人的には Borg教授の意見は正論だと思います。なぜなら、カジノがアクセス圏内に無い為に、低所得、低学歴の人々はカジノをしたくてもギャンブルが出来ません。しかし、統計上、そんな彼らも「アメリカ人平均」として数字に表れるでしょう。

 その逆の場合はどうでしょうか?
 カジノがアクセス圏内にない高所得、高学歴の人達の場合です。これは勝手な想像ですが、ラスベガスやアトランティックシティーと言った観光地に足を運び、ギャンブルを楽しむのではないでしょうか。 そんな彼らは「カジノプレーヤー」として数えられる事でしょう。

 そう考えると、Borg教授が指摘しる、「ただ単純にカジノプレーヤーとアメリカ人平均とを比べても意味が無い」と言う主張に納得できます。

 要するに、一番大事な事は調査結果の数字ではなく、「誰が、どの様にその調査を行ったのか」という事になります。例えば、ラスベガスの目抜きと通りにあるカジノやアトランティックシティーのカジノでは観光客の割合が多く、一般米国人と比べると高学歴・高収入であっても不思議ではありません。


 今回の調査は実際、カジノにアクセス出来る地域に住む人々を対象にした結果、前回のハラースが行った調査とは違った数字が出ています。ハラースはあえて、カジノ近郊在住者では無く、対象を全米にしたのでしょうか・・・。
 
 ハラースの調査結果には小さく、「将来、カジノがオープンする度に、カジノプレーヤーの所得と学力は米国平均に近づくであろう。」と記されています。

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