━社会に与える悪影響━ カジノが社会にもたらす「負の側面」-----ギャンブル依存症。 1997年にコネチカット州政府によってカジノや公営ギャンブルを楽しむギャンブラーを対象に実施されたインタビューによると、47%のギャンブラーが「ギャンブル依存症」とされています。 ギャンブル依存症の問題が特に深刻なのが若者達。様々な中毒問題の中で、ギャンブルによる中毒は急激な伸びを示し、大きな社会問題と成りつつあります。 比率で見た場合、病理的ギャンブル依存症(最も深刻なギャンブル依存症)においては、若者は成人に比べ2倍の数になると報告され、いかにギャンブル依存症が若者の間に蔓延しているのかが覗えます。 さらに、ギャンブルは子供達にも悪影響を与えます。なぜならギャンブルは、教育や労働ではなく、「運」こそが成功のカギであるという誤解を招く恐れがあるのです。ギャンブルは社会に財産を生み出しません。つまりそれは、生産とは「無意味」である事を意味するのです。ギャンブルでは、美化したリスクを作り上げ、その最も愚かなリスクに賭ける人々を賞賛するのです。 ギャンブルは低所得者をも犠牲にします。彼らは、収入の内、ギャンブルに費やす割合が高いとされ、最も生活に余裕のない人々が最もギャンブルをする構図になるのです。カジノ側はロイヤル顧客である彼らをターゲットにした宣伝・広告で更に彼らのギャンブル熱を煽りるのです。 「カジノと犯罪」の関係も忘れる事は出来ません。 ラスベガスの地元有力新聞「Las Vegas Sun」は「カジノを抱える地域では カジノが無い地域に比べ犯罪率が8%高い」と掲載(6/17,1999年)。また、「カジノと犯罪」を取り扱った刊行物によればアトランティックシティーから半径30マイル圏内の犯罪発生数はカジノ設置9年後、107%の増加であったと掲載しています。 また、情報誌『U.S. News and World Report』の1996年の分析によれば、カジノコミュニティーの犯罪率は全国平均に比べ84%高い数値であると指摘。 更に1/15, 1996付けの同誌によると1994年の犯罪率は全国平均で2%のダウンに対し、1993年にカジノ設置を行った31の自治体では翌年、7.7%の犯罪率の増加が認められたと報告しています。 FBIの発表した犯罪に関するデータを分析した結果、ラスベガスを抱えるネバダ州が '95、'96両年にアメリカ50州の中で最悪の犯罪率を記録。また、7/16, 1997年付け 「Las Vegas Sun」では、「ネバダ州の暴力犯罪発生率にいたっては'91年から'96年にかけ 40%近い伸びを見せる一方、同時期の全国平均では10%の下落」という記事があります。 カジノはその他、様々な問題点も抱えます。 カジノは他のローカルビジネスに悪影響・・・。アトランティックシティーでは、カジノ合法化前に48軒あったレストランが、1997年には16軒にまで激減。また、カジノオープンからわずか4年間で小売業の実に3分の1が倒産に追いやられています。 ギャンブルは政治も腐敗させるでしょう。形態を問わずギャンブルは、政府の決定にその利益を左右される事が大きい産業です。ギャンブルは政府に頼るところが多く、その先にあるのは政治の腐敗です。ギャンブルがある所には賄賂、ゆすり、は絶えないのです。 ギャンブル反対団体であるNCALG(National Coalition Against Legalized Gambling) のサイトを元に集めた情報の為、かなり偏ったものになっています。どのような分析、計算方法を用いてのデータかは分かりませんが、少なくとも、ギャンブル(カジノ)が社会に与える負の影響は否定できません。 ですので、ここでは百歩譲ってギャンブル合法化反対団体のこれらの主張が正しいものと仮定します。(真偽の客観的検証は今後、取り上げる予定) その場合に起りうるこれらの事象をどの様にすれば最小限に押さえるのでしょうか? 【参考資料】 NCALG |