━飲酒運転━

 今回はカジノ合法化反対論者が根拠の1つとする 「カジノを作ればそこでアルコール飲料が無料もしくは安値で提供され、 その結果飲酒運転、交通事故死につながる」という説にミシシッピー州を例にとりながら 「カジノと飲酒運転」の関係について考えてみます。

まず簡単にミシシッピー州とカジノについて ・・・。

 全米で最も貧しい州の一つに数えられたミシシッピー州がカジノ合法化にふみきったのは1990年。 カジノの運営が始まったのが、それから2年後の1992年。  その後、カジノ誘致によりカジノが存在するミシシッピー川周辺は1990年代に急激な経済成長を遂げ、ミシシッピー州及び、アメリカ全州の経済成長率をはるかに上回る全米一の経済成長率を果たすことになります。

 さて、ここからは冒頭でも述べた様に「カジノと飲酒運転」の関係について話しを進めていきます。

 ミシシッピー州では、メディアがカジノで提供されるフリードリンク (アルコール類を含む)により飲酒運転及び、交通事故死の数が増えたとしてカジノ側を非難するケースがありました。
 しかし、注意深く調べてみると意外かもしれませんが、1992年のカジノオープン以降、飲酒運転、死亡をきたす大きな事故をふくめ交通事故発生率は年を経る毎に減り続けていたのです。

  ミシシッピー州平均 全米平均
1997 33.3% 40%
1998 22.8% 37%
1999 19.1% 36.1%
 
  Dept.of Public Safty調べ
 (アルコールが関与する交通事故による死亡率)

 その理由はとして1992年にミシシッピー州にカジノがオープンして以来、 カジノからの税収がミシシッピー州のそれまでの悪質だった道路改善、警察官の増員などに費やされたからだといわれます。
 
 メディアからの情報で私たちは「カジノが客に提供するフリードリンクにより飲酒運転、交通事故死の数が増える」といった勝手な構図を作りあげていたのかもしれません。
  ちなみに、交通事故死発生率のワースト20の中にカジノがある地域は含まれていません。

 しかし、今回は特に、「飲酒運転と交通事故死」を取り上げた為、ミシシッピー州では、カジノ設置後、その数が減少しました。交通渋滞、「交通事故死」以外で調べてみるとカジノ設置後、その数の増加が多くの地域で確認されています。

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