━青少年への影響━ 

「カジノは青少年教育にどの様な影響を与えるのか?」

 カジノ産業従事者、教育者などにとってこれは非常に重要な問題。そこで、今後、いろいろな角度から「カジノと教育」の問題を探っていきたいと思います。 今回は「ネバダ州と退学率」の関係から考えてみました。

 90年代に入り、ラスベガス一帯は空前のカジノ建設ラッシュを迎えます。それに伴い、雇用は創出され、地域経済も発展・・・。


 確かにカジノ建設にあたって雇用は創出されます。しかし、これは時として、青少年をもその「餌食」にしてしまいます。

 カジノ建設、カジノ就労ではその殆どの場合、学歴を必要としません。その上、若い世代にとっては魅力的な給料。 「とりあえず、今、お金が欲しい」という若者は「学校」よりも 「仕事」を選ぶのではないでしょうか。「低学歴でも高収入」、 これでは若者への教育に対するインセンティブは低下する筈です。 それが明白に現れているのが今のネバダ州。

 ネバダ州の高校の退学率は常に全米トップクラス。昨年度のネバダ州内での退学者数は4,616人。割合に直すと実に5.4%の生徒が退学した計算になり、これはアリゾナ州に次ぎ全米2位。 政府・教育関係者が協力し合い、様々なプログラムで退学率は年々下がりつつある様ですが、その努力はまだ、結果として現れていないようです。

 ここで、注意してもらいたいのは、少なくとも、ネバダ州の場合は「カジノ」が直接的に学生の退学率を上げる要因にはなっていない事。 つまり、学生がカジノに行き、ギャンブルにはまって、退学する図式では無いのです。 (ネバダ州では、21才未満はカジノ禁止)

 カジノが出来ると雇用は創出されます。しかし、その一方で青少年への教育に対するインセンティブの低下というジレンマが起こります。 日本がカジノ合法化という道を選ぶ場合、10年後、20年後に、やはり カジノは「社会悪だった」と言われない為、又青少年の将来の為にもこの辺りの事はしっかりと考慮すべきと思います。


ネバダ州退学率

1998-1999 7.8%
1999-2000 6.1%

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