━防止・対応策 その1(犯罪)━ 
 
 さて、ここまでギャンブル依存症、未成年者によるギャンブルへの防止、対応策を紹介してきました。ここから少しカジノと犯罪の関係についてお話しを進めていきたいと思います。

 今回考えてみたいのは、カジノ誘致によって起りうる犯罪を如何に防止するか、という事です。さらに、増加が予想される犯罪の「種類」も取り上げ、有効な防止・対応策を探ってみます。

 まず最初にカジノ誘致はなぜ、犯罪を増加させるのでしょう?
 
 カジノが出来るとそれに伴い、ホテル・レストラン・ショッピングセンターなどの施設も設置される可能性があります。そうすれば、当然、カジノを中心とした複合型施設に多数の人が訪れます。
 人が多く集まる場所では、迷子、交通渋滞、落し物など様々な問題が発生します。それと同様に、けんか、スリなどの事件・事故も発生する事が予想出来ると思います。
  これはコンサート会場、お祭り、球技場など、人が集まる場所では、発生する問題であり、特に、カジノに限った事ではありません。
 (カジノはギャンブルであり、お金が絡むので〜〜という論議は後で取り上げます)
 
  さらに、労働集約産業であるカジノでは多くの従業員を必要とします。それは就業機会の拡大を意味し、職を求め各地からやってくる人のため、地域住民の数も増加する事が予想出来きます。人口の増加は上記と同じ理由で犯罪や様々な問題を発生させるでしょう。
 
  少し面白い観点からカジノと犯罪増加の関係を考えてみましょう。通常、カジノが政府に支払うタックスは、治安維持を目的に警察官の増員などにも助成されます。警察官の数が増えれば、犯罪は増えます。ここで注意してもらいたいのは、「報告される犯罪件数」が増えるという事です。今まで地下に潜っていた犯罪が警察官の増員に伴い、表に現れ、「報告される犯罪件数」の増加と繋がる事も考えられるのです。

 このように「カジノ誘致と犯罪増加」の関係の大部分は、「地域に多くの人が訪れ、それが犯罪増加へと繋がる」と説明できると思います。

 さて、ここからは犯罪の防止・対応策とその種類、さらにカジノ特有の犯罪について考えてみる事にしましょう。

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