「人はエンターテイメントを喰って生きる」 消費が低迷し、なかなか上の見えない日本経済においても、天井知らずの成長を見せるビジネスもある。それが昨年新しく「ディズニーシー」をオープンした東京ディズニーリゾートである。 東京ディズニーリゾートはディズニーランド、ディズニーシーと合わせて2001年上半期の入場者数で約1000万人を記録した。日本各地の多くのアミューズメントパークが閉園に追い込まれる中、これは驚異的な数字である。
近年、これまでに無い盛り上がりをみせる日本映画のなかで、話題を総なめにしたのが宮崎駿監督作品「千と千尋の神隠し」である。この作品はこれまで子供中心であったアニメ映画市場を大人にまで拡大し、現在1800万人の観客動員。さらに記録を伸ばしつづけている。これは数あるハリウッドの大型作品を抑え、ダントツの観客動員数。一体この「千と千尋の神隠し」の快進撃の秘密は何なのか??? この2つの問いかけに対する答え、それは「そこにエンターテイメントがあるかどうか?」その一言に尽きる。ここでいうエンターテイメントというのは決して「観覧車がある」とかとか、「人気俳優が出演している」とか、そういう物理的なレベルの話ではない。そこに訪れる事自体が「ワクワク」する事であり、「夢」があることかどうかということ。人はその「ワクワク」や「夢」を求め、ディズニーリゾートや「千と千尋の神隠し」に集まる。 この「夢」や「ワクワク」という感覚は、衣食住に足り、消費にエンターテイメント性を求めるようになった現在の消費者と、それを顧客とする今後のビジネスにおいて大きなキーワードとなる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ さて前置きが長くなってしまったが、ラスベガスという街はエンターテイメントの塊のような街である。 ラスベガスは「カジノの街」であり「ギャンブルの街」。それは曲げ様のない事実。しかし、ラスベガスはその「カジノ」を基幹にして各種エンターテイメントへと枝葉を広げた。現在では世界中からそこに「ワクワク」や「夢」を求めて観光客が集まる世界を代表するエンターテイメント都市である。 「カジノはギャンブルである、ギャンブルは悪である」皆さんにはそこで思考停止をしないで、ぜひラスベガスという街を見て欲しい。ほんの50年前までは砂漠の中の貧しい宿場町だったこの街が「自分の街にいかに人を集めるか?」「その集客をいかに地域経済と住民の生活向上に結びつけるか?」という問題に真剣に向き合い、論議し、知恵を絞った結果が、現在の世界一の娯楽都市ラスベガスである。現在ラスベガスは、ここ数十年でアメリカNo.1の経済成長を達成した「アメリカでもっとも成功した都市」として評価される。 私はカジノを専門に学ぶ者ではあるが、自分自身はほとんどギャンブルはしない。「日本は今すぐカジノ合法化をするべきだ!!」という急進派でもない。しかしそんな自分がアメリカに渡りこの都市で「カジノ」を学ぶ理由は、カジノというギャンブルに「エンターテイメント」としての可能性、「産業」としての可能性を見たから。 カジノ産業はギャンブル産業であると同時にエンターテイメント産業である。さらにその産業はホテル産業、観光産業、レストラン産業、運輸産業、建設産業、コンベンション産業と様々な周辺産業に大きな波及効果をもたらす。 カジノのもたらす「ワクワク」と「夢」の正体を探りたい、そしてその「ワクワク」と「夢」の産業としての価値を探りたい。それが私がラスベガスに渡りカジノを学ぶ理由。 皆さんにはこのwebサイトを通して、私が毎日学ぶ事のカケラを少しずつでもお伝えできたら良いと思う。
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