━日本の地下賭博市場、1725億円━  

 日本のカジノ合法化による経済的な影響は様々な所へ波及します。その中でも日本の違法賭博市場へ与える影響は非常に大きいものとなるでしょう。  

 現在、違法カジノが日本でも急速に広がっており、一説には東京都内だけでその数は200を下らないとも言われています。売春、麻薬、違法賭博など表には出ない日本の経済活動を研究発表した門倉貴史氏はその著書「日本の地下経済」(横浜銀行総合研究所)の中で、日本の違法賭博市場の総規模は1725億円にものぼると推測しました。

この様な違法賭博は、本来、まっとうな経済活動として計上され、課金されるべき経済活動。それが目にみえない場所で取り引きされ、闇の中へと消えてゆく。さらには、そのうちの大部分が犯罪組織の資金源になっているというのが現状です。  

 カジノと犯罪組織の関係について、1996年にアメリカ合衆国政府のギャンブルビジネスの諮問機関として誕生した「National Gambling Impact Study Commisiton」はその報告書の中でこう述べています。

「州政府の効果的なカジノ統制は、犯罪組織によるカジノ所有と運営を排除することに成功した」 (NGISC Final Report, 1998)  

 日本でカジノが合法化され効果的な統制が行われた場合、現状で存在する多くの違法カジノは存在することが難しくなるでしょう。カジノ合法化というのは日本の地下に存在する1725億円規模の巨大な違法賭博市場を日本の表の経済活動として白日の下にさらすのと同時に、その先にある犯罪組織への資金流入を防ぐという2つの効用があるのです。

参考;NGISC Final Report, 1998 「日本の地下経済」
(横浜銀行総合研究所)

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