━コンセプト━
 
 出口の見えない日本の経済停滞。総計400兆円を超えるといわれる国債残高。これから果てしない増加をみせるであろう社会保障費。各地方公共団体が抱える財政難…現在、日本が抱える問題は膨大です。こういった様々な問題のなかで、近年注目を浴びるようになってきたのが「カジノ合法化」です。  

 古くは十数年前から水面下で続けられてきたカジノ合法化論議が、石原東京都知事の「お台場カジノ構想」によって一気に注目を集め、全国で同様の構想が次々と現れました。「カジノ税による税収アップ」「経済浮上のための呼び水」「各種産業への波及効果」「地方の独自財源」…様々な思惑が絡み合い、多くの期待がカジノ合法化に掛けられる…そして、いつしかカジノは「日本経済復興の最終兵器」とまで呼ばれる様になりました。  

 しかし残念ながら、日本においてのカジノ合法化論議は始まったばかりであり、まだまだ効果的な論議がなされていません。カジノ賛成派は「カジノの効用」のみを語り、カジノ反対派は「カジノのマイナス面」のみを語る。その様な論議をいくら重ねても、最終的なカジノ合法化の是非に迫る事は出来ないでしょう。    

 本サイトは「カジノ賛成を前提とした合法論議」でも「カジノ反対を前提とした反対意見」でもなく、カジノ合法化は「リスクと効用」の2面性を持つ「両刃の剣」であるというのを前提に論議をしてゆきます。そこから、私達日本人にその「剣」を扱う素養があるのか?言い換えれば、カジノによってもたらされる社会的コストを最小に抑えながら、その効用を最大限に引き出すことが可能なのか? という事に迫ってゆきます。  

 幸いな事に、日本はカジノ合法化においては世界でも後発の国です。世界には既に多くのカジノを合法とした国や地域があり、そこには長い歴史が存在します。それらの地域で積み上げられてきた様々な事例を参考にしながら、「カジノの持つ功罪」と、「日本の未来」について考えてゆきましょう。

                                     

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