━自己責任と社会責任━

 ギャンブルは飲酒や喫煙と同じく、限度を超えてしまうと人間の社会生活、健康状態に影響を与えてしまいます。カジノがそんなギャンブルの一形態である限り、そういった問題への「責任」について論議する事は避けることはできない道でしょう。

 ギャンブル、飲酒、喫煙に対する「責任」は大きく「自己責任」と「社会責任」と2つに分けることができます。「問題があるのを理解して、それぞれが自己でコントロールしてゆけばよい」という考え方と、「問題があるならば、それを社会全体でコントロールしなければならない」という2つの考え方です。

 この2つの論議は「どちらが正しい、どちらが間違っている」という二者択一の論議ではなく、いかに両者のバランスをとるか?という問題です。

 禁酒、喫煙に関して、日本は比較的「自己責任」に重きに置いており、未成年でも酒、タバコを購入できるなどとても軽い規制をしいています。逆にアメリカでは日本と比べ酒、タバコを購入できる場所、楽しめる場所に厳しいルールがあり、比較的「社会責任」を重視したルールづくりをしていると言っていいでしょう。しかし、ギャンブルにおいてはこの責任感覚がまったく逆転します。アメリカは日本と比べると「自己責任」を重視したルールづくりをしており、比較的緩やかな規制をしています(アメリカは州によって法律が違うので一概にはいえませんが)。逆に日本はギャンブルを国家の統制下で運営するなど、社会責任を重視したルールづくりをしています。(パチンコに関しては論議の分かれる所ですが)

 繰り返しになりますが、この2つの責任感覚は「どちらが正しい、どちらが間違っている」という問題ではありません。最終的には個々人の持つ思想や理念にかかってきますので、人によって考え方が変わってくるでしょう。もちろん、この場で「こうあるべきだ!!」という主張をするつもりもありません。
 しかしこのサイトで「カジノ」というものを学ぶ前に、皆さんにはぜひこの「自己責任と社会責任」の関係について、少し思いを巡らせていただけたらうれしく思います。

 

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